医療で使用される放射性同位体の副作用とは
技術は日々進化し、医療分野でもその変化は顕著です。核医学はがん治療や高度な診断に大きく貢献しています。核医学の中心となるのは同位体(放射性同位体)で、がん細胞を直接標的にし、これまで不可能だった画像を提供します。しかし、この技術には副作用も伴います。
同位体とは?
放射化学会は同位体を「同一元素で原子番号は同じだが、質量数や物理的性質が異なる二種以上の原子」と定義しています。この特性により、同位体は安定(非放射性)でも不安定(放射性)でもあり得ます。
核医学は1950年代に放射性ヨウ素-151(I-131)を用いて甲状腺がんの治療に始まりました。現在では多数の同位体ががんの診断・治療に利用されており、主に不安定な放射性同位体が使用されますが、これがさまざまな副作用の原因となります。
診断検査における同位体
診断用の放射性同位体は、体内の特定部位に濃縮される化合物と結合して投与されます。これらはガンマ線を放出し、対象臓器や組織の高解像度画像を提供します。副作用は比較的軽微で、投与部位の軽い刺激や腫れ程度です。放射性同位体は半減期が短く、数日で体内からほぼ完全に排除されます。
低白血球数
放射性同位体療法で最も懸念されるのは、血液中の健康な細胞が減少することです。メイヨークリニックによると、血液検査(CBC)で白血球や赤血球の減少が確認されると、感染症リスクが高まり、命に関わることもあります。その他、倦怠感、息切れ、疲労感なども報告されています。
食道炎(エソファジティス)
クレーブランドクリニックは、放射線に敏感な食道が炎症を起こしやすいと指摘しています。食道炎は飲み込む際の痛みや不快感を伴い、鎮痛剤や制酸剤で症状緩和が行われます。治療終了後2〜3週間で自然に改善します。
粘膜炎(ムコシチス)
食道炎に加えて、口腔・咽喉・歯茎の粘膜が炎症を起こす粘膜炎もよく見られます。症状は口内の潰瘍や痛みで、食事は食道炎と同様のやわらかいものが推奨されます。重症例では歯科医の処置が必要になることもありますが、通常は治療終了後2〜3週間で消失します。
吐き気・嘔吐・下痢・脱毛
放射性同位体治療は化学療法と類似した副作用を引き起こすことがあります。具体的には吐き気、嘔吐、下痢があり、脱水を防ぐための水分補給が重要です。また、高線量の放射性同位体では化学療法と同様に脱毛が起こることがあります。
