妊娠中に嘔吐が起こる理由とは?

妊娠中に起こる嘔吐(いわゆるつわり)は、さまざまな要因が組み合わさって引き起こされます。以下に主な原因とそのメカニズムを解説します。

1. ホルモンの変化

妊娠初期に急増するヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は、消化管に影響を与え、吐き気や嘔吐を誘発します。hCGは胎盤で産生され、血中濃度が高まるほど症状が強くなる傾向があります。

2. 嗅覚の感度向上

妊娠中は匂いに対する感受性が高まり、強い臭いや不快な匂い(食品、香水、洗剤など)にさらされると、吐き気が誘発されやすくなります。

3. 胃の排出遅延

プロゲステロンが消化管平滑筋を弛緩させるため、胃の内容物がゆっくりと排出されます。結果として胃が膨らみやすくなり、吐き気を感じやすくなります。

4. 血糖値の変動

食事が不規則になる、あるいはエネルギー消費が増えることで血糖値が低下しやすくなります。低血糖は吐き気の一因となります。

5. 食品への嫌悪感・欲求

妊娠中は好みが変化し、以前は好きだった食べ物が嫌いになることがあります。特定の食品を避けることで胃が刺激され、嘔吐が起こることがあります。

つわりは多くの妊婦に共通する現象ですが、症状の強さは人それぞれです。嘔吐が激しく続く場合は、妊娠性過嘔(ハイパーエメシス・グラビダラム)と呼ばれる重篤な状態の可能性があるため、医師の診察を受けることが重要です。

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