アニマルボトックスとは何か?
アニマルボトックスは、化粧品業界がボトックス(ボツリヌス毒素)注射剤の製造過程で行う毒性試験の総称です。この試験はLD50(半数致死量)と呼ばれ、マウスにボツリヌス毒素を投与し、麻痺や窒息に至る様子を観察します。
毒素について
ボツリヌス毒素は、腸内産生菌Clostridium botulinum が作り出す神経毒で、ボツリズム(食中毒)の原因となります。カリフォルニア州ロマ・リンダ大学医学部の臨床准教授であり、コロラド州セント・メアリー・コーウィン医療センターの医療ディレクターであるディヴァカラ・ケドラヤ博士によれば、毒素は1980年に斜視治療として初めて医療に使用され、以降は筋肉痛や顔面痙攣などにも応用されました。現在では、米国で医療用は1989年、化粧目的は2002年に承認されています。
LD50試験とは
信頼性に課題があるものの、イギリスの薬理学者トレヴァントが1920年に考案したLD50試験は現在でも実施されています。単一ロットから抽出した毒素を異なる濃度に希釈し、100匹ずつのマウス群に経口投与して、半数が死亡する濃度(LD50)を測定します。この試験は物質の中毒性を評価する指標となりますが、投与されたマウスは筋肉麻痺を起こし、最終的に生存者も試験終了時に安楽死させられます。
代替手法
ヒト細胞培養は、物質の毒性評価において有望な代替手段です。動物解放団体が発表した報告書で、Dr. ビョルン・エクウォールは、ヒト細胞培養は種間差がなく、皮膚など影響が予想される特定組織から採取でき、さらなる研究が可能で、動物に痛みや死を与えない利点があると指摘しています。
年間1億匹の実態
米国動物実験反対協会(American Anti‑Vivisection Society)は、米国内で毎年使用される実験用マウス・ラットの正確な数は把握できないとしつつ、約1億匹が実験に使用されていると推計しています。これは全実験動物の95%に相当します。
潜入取材の結果
米国・欧州の動物愛護団体は、化粧品業界におけるLD50試験の廃止を求めて活動しています。英国の「動物実験廃止連合(BUAV)」が行った潜入取材によると、英国のある研究所だけで毎年約74,000匹のマウスがボトックス試験で死亡していることが明らかになりました。
これらの問題から、代替試験法の導入が急務とされています。
