狂犬病が疑われる動物への対処手順

毎年約5万人が狂犬病で死亡しています。古代エジプトの文献(紀元前2300年)にも記録があるほど古くから知られる疾患です。狂犬病は哺乳類の神経系を侵すウイルス性感染症で、唾液を通じて感染します。症状が出てからはほぼ致命的であるため、予防と迅速な対応が重要です。

対処手順

  1. 症状の確認

    感染した動物はまずインフルエンザ様の症状(発熱、頭痛、倦怠感)を示し、次第に混乱や不安、興奮状態になります。錯乱、幻覚、不眠、恐水症(水を飲むことを拒む)などの異常行動が見られ、口から泡が出る、よだれが増える、歩行が困難になる、または人や他の動物を噛もうとすることがあります。野生動物では人に対する恐怖心が失われ、夜行性動物が昼間に活動することもあります。

  2. 接近しない

    狂犬病が疑われる動物に近づかず、触れたり餌を与えたりしないでください。子どもやペットが接触しないように注意しましょう。

  3. 保健所・動物管理へ連絡

    疑わしい動物を見つけたら、すぐに地域の動物管理センターや保健所に連絡し、動物を人や他の動物から隔離してください。地面に倒れているコウモリなどは、覆いをかけて安全に確保し、専門機関が来るまで放さないようにします。

  4. 咬傷・引っ掻き時は速やかに受診

    自分やペットが咬まれたり引っ掻かれたりした場合は、すぐに医療機関を受診し、必要に応じて狂犬病ワクチンや免疫グロブリンを投与してもらいます。ペットの予防接種が最新かどうかも獣医師に確認してください。予防接種済みでも、45日間は観察が必要です。ワクチンが切れている場合は、個別に評価が必要です。

  5. 感染拡大防止に協力

    狂犬病が疑われる野生動物やワクチン未接種のペットは、速やかに安楽死させることが推奨されます。飼い主が同意しない場合は、6か月間の厳重隔離と、放免の1か月前にワクチン接種を行う必要があります。狂犬病に噛まれた、または接触した場合は、必ず地域の保健所や動物管理当局に報告し、動物の種類・外観・発見場所などの情報をできるだけ詳しく提供してください。予防接種の徹底が、感染拡大防止の最も効果的な手段です。

動物の咬傷 - 関連記事