猫のひっかき熱(猫ひっかき病)とは?症状・診断・治療と予防法
概要
猫ひっかき熱(Cat Scratch Disease、CSD)は、バルトネラ・ヘンセラエ菌に感染した猫のひっかきや噛み傷から発症する感染症です。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、猫の約40%がこの菌を保菌していますが、外見だけで保菌かどうかは判断できません。ノミは猫同士に菌を移すことがありますが、ノミが人に感染させる証拠はありません。
症状
- ひっかき・噛み傷部位に3〜10日後に腫れや赤みが出る。
- 約1週間後に腕や首、頭部のリンパ節が腫れ、触れると痛む。
- 発熱、倦怠感、食欲不振、持続的な頭痛がみられることがある。
診断
医師は以下を基に診断します。
- 猫との接触歴(ひっかき・噛み傷の有無)。
- 傷部位の視診。
- 血液検査でバルトネラ・ヘンセラエ菌抗体やDNAを確認。
- 類似症状を示す他の疾患を除外するための追加検査。
合併症
多くは自然に回復しますが、稀に以下のような合併症が起こります。
- 長引く高熱。
- 眼瞼や結膜の潰瘍(パリノー症候群)。
- 肝臓、脾臓、骨、肺などの臓器感染。
治療
通常は自然治癒しますが、症状緩和のために以下が行われます。
- リンパ節が著しく腫れた場合は、注射器で液体を抜くことがある。
- イブプロフェンなどの市販鎮痛解熱剤で発熱や頭痛をコントロール。
- 重症例や合併症がある場合は抗生物質(例:ドキシサイクリン)を使用。
注意点
動物の傷は早めに医師に相談しましょう。以下の場合は特に受診が必要です。
- 傷口の赤み・腫れが広がる。
- 発熱が数日以上続く、または39.4℃(103°F)以上になる。
予防・対策
- 猫のひっかき・噛み傷はすぐに抗菌石鹸で洗浄する。
- 子どもには野良猫と遊ばせない、粗暴な遊びを控えるよう指導。
- ノミがついたら獣医師推奨の駆除薬で猫と家庭環境を速やかに処理する。
