猫に噛まれたときに注意すべき疾患
猫は小さく鋭い歯を持つため、噛まれると深い穿刺傷になることがあります。口内に常在する細菌や、外部寄生虫による感染症など、さまざまな疾患が発症するリスクがあります。
パスツレラ(Pasteurella)感染症
パスツレラ属は猫の口内に多数存在し、代表的なのは Pasteurella multocida です。噛み傷が深いと細菌が体内に入りやすく、傷口の腫れや骨髄炎、さらには肺炎などの呼吸器感染を引き起こすことがあります。症状は噛んでから1日以内に現れ、抗生物質での治療が一般的です。
猫ひっかき病(Cat Scratch Disease, CSD)
かつては Rochalimae 属が原因と考えられていましたが、現在は Bartonella henselae が原因とされています。噛み傷やひっかきから感染し、症状は2〜3週間後に発熱、リンパ節腫脹、倦怠感、頭痛などが現れます。免疫力が低下している人は抗生物質治療が必要です。傷口はすぐに消毒し、できるだけ猫の噛みやひっかきを避けることが予防の鍵です。
狂犬病
感染した猫に噛まれると、狂犬病ウイルスが体内に入り、神経系を侵して致死に至ります。初期症状は頭痛、発熱、倦怠感で、進行すると錯乱、不安、睡眠障害などが現れます。症状が出た時点では治療が困難になるため、噛まれたらすぐに傷口を流水で洗い、速やかに医療機関で抗ウイルス治療を受ける必要があります。
ツラレシア症(Francisella tularensis)
別名「ウサギ熱」や「オハラ熱」とも呼ばれ、主に野生の小動物に感染します。猫はノミやダニに刺されることで感染し、猫自身は無気力、食欲不振などの症状を示します。人が感染すると関節痛、体重減少、発熱、頭痛などが現れ、抗生物質で治療します。
