胃がんの治療オプションと最新情報
米国癌学会の推計によると、今年は胃がんの新規患者が21,130人、死亡者が10,620人と報告されています。米国人の胃がん罹患リスクは約1%で、特に中欧、南米、アジア系の人々に多く見られます。抗生物質の使用が胃がん発生率の低下に寄与していると考えられています。早期に発見された場合、下部胃がんの5年生存率は約50%、上部胃がんは10〜15%で、全体の平均生存率は約21%です。
早期発見と予防
胃がんの検査は、細いカメラ付きチューブ(上部内視鏡)を喉から胃に挿入して行います。検査中に疑わしい組織が見つかれば、生検で組織を採取し顕微鏡で診断します。CT、PET、バリウム造影などの画像診断により腫瘍のステージや広がりを把握し、治療方針を決定します。また、腹腔鏡による探査手術でがんの転移範囲を直接確認することも可能です。
確実な予防法はありませんが、健康的な生活習慣がリスク低減に繋がります。色とりどりの野菜や果物を中心とした食事、塩分や燻製食品の摂取制限、禁煙・禁酒、定期的な運動が推奨されます。貧血、胃炎、胃ポリープなどの既往歴がある人は、早期スクリーニングの対象となります。
手術
手術は胃がん治療で最も一般的で、唯一の根治的アプローチとされています。主な手術法は以下の通りです。
- 内視鏡的粘膜切除(EMR)― 早期腫瘍に対し、内視鏡で粘膜層を切除。
- 部分胃切除(亜全胃切除)― がんがある胃の一部と、必要に応じて食道・小腸・リンパ節を切除。
- 全胃切除― 胃全体と周囲組織を除去し、食道と小腸を直接吻合(新たな胃を形成)する。
手術中にリンパ節を十分に切除することは重要で、通常は15個以上のリンパ節を摘出します。近年は腹腔鏡手術が普及し、従来の開腹手術に比べ出血や感染、血栓のリスクが低減されています。全胃切除の場合は下痢、嘔吐、未消化食物の残留などの合併症が起こりやすく、術後は小分けにした頻回食とビタミン・ミネラルサプリメントが必要です。死亡率は全体で1〜2%、広範囲リンパ節切除を伴う場合は5〜15%と報告されています。
放射線療法
放射線は高エネルギーのビームでがん細胞を破壊します。腫瘍が大きい場合は手術前に縮小させる新補助(ネオアジュバント)放射線が用いられ、手術後の残存細胞除去には補助(アジュバント)放射線が行われます。大腸外部ビーム放射線と化学療法を併用することで、局所進行がんの制御が可能です。副作用としては胸焼け、吐き気、下痢、嘔吐が報告されていますが、現時点で放射線療法が全体の生存率を有意に伸ばすエビデンスは示されていません。ただし、再発率の低減には寄与する可能性があります。
化学療法
化学療法は全身に作用する薬剤で、胃以外の転移病変にも効果を期待できます。手術前に腫瘍を縮小させる新補助化学療法(ネオアジュバント)や、手術後に残存がん細胞を除去する補助化学療法(アジュバント)が一般的です。進行胃がんに対しては単独でも使用されますが、単独療法の奏効率は0〜30%と低く、期待できる効果は限定的です。最も頻繁に使用される薬剤は5‑フルオロウラシル(奏効率20〜30%)で、シスプラチン(奏効率18〜20%)が併用レジメンに加えられることがあります。主な副作用は吐き気、下痢、倦怠感、脱毛、血球減少による感染リスクや出血です。
以上のように、胃がんの治療は早期発見・予防から外科的切除、放射線・化学療法の組み合わせまで多岐にわたります。患者さんそれぞれの病期や体力に応じて最適な治療計画を立てることが重要です。
