大量出血後の体液補給に蒸留水は使用できない理由
蒸留水を静脈内に投与すべきでない理由
蒸留水はナトリウムやカリウムなどの必須電解質を含んでいません。そのため、直接血管内に投与すると体内の電解質濃度が希釈され、「低ナトリウム血症」や「水中毒」と呼ばれる致命的な状態を引き起こす可能性があります。
電解質が不足したまま蒸留水が血流に入ると、血中の電解質バランスが崩れ、赤血球が膨張して破裂する「溶血」が起こります。また、低ナトリウム血症は心臓や脳の電気的活動を乱し、痙攣、昏睡、最悪の場合は死に至ることがあります。
安全な体液補給の方法
このような危険を回避するため、医療現場では生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム)や乳酸リンゲル液など、電解質を適切に含んだ等張性の静脈輸液が使用されます。これらの溶液はナトリウム、クロール、カリウムなどの必須イオンを含み、体液量を補充しつつ電解質バランスを維持し、水中毒を防止します。
