チンパンジーと肝炎ワクチン
歴史
1974年、米国の科学者らはリベリア・ロバーツフィールドにあるリベリア生物医学研究所に「ヴィラブ」研究センターを設立しました。この施設はチンパンジーを用いてB型・C型肝炎ウイルスのワクチンや免疫療法を開発することを目的とし、チンパンジーを米国内に輸入する必要がないようにしました。
成果
ヴィラブの研究からは、世界中で使用されているB型肝炎ワクチンの開発や、血液製剤の滅菌手法が確立され、B型・C型肝炎やHIVの感染拡大を防止しました。一方、C型肝炎ワクチンの開発は成功しませんでした。
利点
チンパンジーは人間と約95%の遺伝子が共通しており、ワクチンや治療への反応が人間に近いとされています。さらに、ヒトより肝炎に対する耐性が高く、B型肝炎ウイルスに感染しても重篤な肝障害を起こしにくいという特徴があります。
倫理的考慮事項
高い知能とヒトに近い系統関係から、チンパンジーを実験動物として閉じ込め、痛みや生命を脅かす手術を受けさせることへの倫理的批判が高まっています。野生では1日8マイル(約13km)も移動する活発な生活様式を持つため、檻に閉じ込めることへの反対意見が強く、絶滅危惧種としての保全も求められています。
基準の変化
米国では現在、9つの研究施設で約1,000匹のチンパンジーが使用されていますが、使用制限が強化されています。1977年以降、野生のチンパンジーの輸入は禁じられ、2007年にNIHは政府資金による飼育繁殖を禁止し、1995年に導入された繁殖モラトリアムを永続化しました。
