エイズに伴う認知症様症状(ADC)の兆候と対策
エイズ(HIV感染)患者にしばしば見られる合併症のひとつが、認知機能の低下です。症状は人それぞれですが、しばしば「AIDS認知症複合症(ADC)」と呼ばれる障害の一部として現れます。日常生活に支障が出るほど重くなると、正式に認知症と診断されることがあります。
ADCは、CD4+ 細胞数が 200 /µL 未満になると頻発します。CD4+ 細胞は感染から体を守る役割を担っています。抗レトロウイルス療法(HAART)により、ADC の発症率は HIV 患者の 30〜60%から 20%未満に低減し、既に ADC を抱えている人の認知機能も改善されます。
認知機能の問題
- 記憶力低下、言語障害、判断力の低下、集中力の欠如などが最初に現れることが多いです。
日常のタスクを忘れないよう、買い物リストやスケジュール表を活用する必要があります。
会話中に話の途中で内容を忘れたり、反応が遅くなることがあります。
複雑な作業を完了するまでに時間がかかり、集中できないためイライラしやすくなります。
運動機能の障害
- 手と目の協調が悪くなり、字が読みにくくなることがあります。
歩行が不安定になり、バランスを崩しやすくなります。
脚の感覚が鈍くなり、筋肉のこわばりや動きの遅さが出ます。
筋力低下により物を落とす頻度が増え、視力低下や排尿コントロールの障害が見られることもあります。
人格・行動の変化
- 感情の起伏が激しくなり、無関心や自己中心的な態度が現れることがあります。
うつ状態や感情のコントロールが難しくなり、衝動制御が低下します。
社会的に孤立しやすく、介護者は抵抗に遭遇することがありますが、本人は自分の行動を制御できないことが多いため、根気強く支援する必要があります。
