HIVウイルスと闘う抗体はどれですか?
広範囲中和抗体(bnAbs)とは
広範囲中和抗体(broadly neutralizing antibodies, bnAbs)は、HIVウイルスの多様な株に対して効果を発揮する抗体です。感染後に体内で自然に産生され、ウイルス表面の特定タンパク質に結合して細胞への侵入を阻止します。
代表的なbnAbs
- VRC01:20年以上HIVに感染しながらエイズを発症しなかった患者から単離された抗体です。HIVエンベロープタンパク質の高度に保存された領域に結合し、幅広い株に対して中和活性を示します。
- PG9:10年以上感染してエイズを発症しなかった患者から得られた抗体です。VRC01とは異なるエンベロープ領域に結合し、補完的なウイルス株に有効です。
- Pgt121:15年以上感染しながらエイズを起こさなかった患者由来の抗体で、エンベロープの第三の部位に結合し、VRC01・PG9とは別の株に対して高い中和力を持ちます。
臨床応用の展望
現在、これらのbnAbsはHIV感染の新たな治療法として研究が進められています。長期間にわたるウイルス抑制や、最終的には根本的な治癒へつながる可能性が期待されています。
