IVF治療の合併症と対策
IVF(体外受精)は比較的安全な不妊治療ですが、稀に合併症が起こることがあります。症状に気付いたらすぐに医師に相談しましょう。
IVFとは
IVFは、卵巣刺激ホルモン(FSH・LH)を投与し、多数の卵胞を育てます。成熟した卵胞が十分にできたら、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)を最終注射し、卵子の成熟を促します。その後、外科的に卵子を採取し、受精させて培養します。培養した胚は数日間育て、選択した胚を子宮に移植して妊娠を目指します。余った胚は凍結保存するか、患者の希望により破棄します。
治療サイクル中は、ホルモンへの反応を確認するため、ほぼ毎日診察や超音波検査で経過観察が行われます。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
OHSSはIVFで最も頻繁に報告される合併症です。卵子採取後に卵巣から大量のホルモンやサイトカインが放出され、毛細血管が透過性を増すことで体液が血管外へ漏れ、腹腔や胸腔にたまります。特にHCG最終注射後から妊娠判定までの期間にリスクが高まります。
主な症状
- 急激な体重増加(24時間で2〜3ポンド以上)
- 腹部の膨満感・腹痛
- 吐き気・嘔吐
- 呼吸困難や尿量減少
上記のいずれかの症状が現れたら、すぐに医師へ連絡してください。
治療と対策
OHSSは軽度・中等度・重度の3段階に分類されます。軽度・中等度の場合は安静と水分・排尿管理で経過観察が中心です。血液検査で血液濃縮の有無を確認することもあります。重度の場合は入院が必要となり、血管内輸液やアルブミン投与で体液バランスを整えます。早期発見と徹底した安静が重症化防止の鍵です。
内部出血
卵子採取時に使用する針が血管を損傷し、内部出血を起こすことがあります。症状としては、腹部痛の増強、膨満感、めまい・失神感などがあります。非常に稀な合併症ですが、これらの症状が出たら速やかに医師に相談してください。
IVF治療を安全に進めるためには、自己観察と医師との密なコミュニケーションが不可欠です。
