帝王切開後の経腟分娩(VBAC)プロトコルと適応条件
米国の帝王切開率の約3分の1は再帝王切開であり、医師はVBAC(帝王切開後の経腟分娩)を希望する女性に機会を提供する圧力を受けています。医療機関はリスクや訴訟を懸念し、VBAC患者の適格性評価と分娩管理の標準プロトコルを設けています。以下では、VBACを検討する際に一般的に求められる条件や医師の要件をまとめました。
切開の種類
低位横切開(ビキニ切開)を受けた女性にのみVBACの選択肢が提示されることが多いです。古典的切開やT字切開の場合、子宮破裂リスクが高くなるため、通常はVBACは認められません。過去の手術記録を確認するとよいでしょう。
子宮手術の既往歴
子宮筋腫の切除(筋腫摘出術)などの子宮手術歴がある場合、医師は再帝王切開を勧めがちです。ただし、瘢痕の位置や範囲によってはVBACが可能なケースもあります。手術ノートの入手が有益です。
出産間隔
出産間は最低でも18〜24か月空けることが推奨されます。瘢痕が十分に癒合すれば、子宮破裂のリスクが低減します。
過去の帝王切開回数
複数回の帝王切開後にVBAC(VBAMC)を希望する場合、受け入れ可能な医師を見つけるのは難しくなります。特に2回以上の帝王切開歴がある場合、以前に経腟分娩の成功歴があるかどうかが重要な判断材料となります。
前回帝王切開の理由
前回の帝王切開が胎位異常(逆子)や前置胎盤など再発しにくい原因であればVBACが検討されやすいです。一方、骨盤が狭い、進行不全など母体側の問題が指摘された場合は、再度のVBACはリスクが高いと判断されます。
その他の健康問題
妊娠糖尿病や高血圧、胎児の先天性異常などがある場合、医師はVBACを除外することが多いです。また、双子や多胎妊娠、胎位が逆子(頭位でない)も再帝王切開の対象となります。
自然陣痛の必要性
子宮破裂のリスクは人工的に陣痛を誘発した場合に高まります。そのため、VBACを希望する場合は自然陣痛での分娩が望まれます。医師は妊娠42週を超えることを避けるため、40〜42週の間に分娩が始まらない場合は帝王切開を計画します。
胎児モニタリング
VBAC中は連続胎児心拍モニタリングが推奨されます。心拍の減速や異常が子宮破裂の早期サインとみなされるためです。
硬膜外麻酔の要件
一部の医師は、VBACを行う際に入院時から硬膜外麻酔を施すことを条件とします。緊急帝王切開が必要になった場合、麻酔が既に確保されていれば迅速に手術が行えるためです。
ACOG(米産科婦人科医会)ガイドライン
1999年にACOGは、VBACは緊急帝王切開が即座に可能な施設でのみ許可すべきと提言しました。当時は専属の麻酔科医と手術チームが常駐する必要があると解釈され、多くの施設でVBACが制限されました。2010年にガイドラインが緩和され、施設の準備体制に応じてVBACが実施できるようになりました。
