妊娠中の肝機能検査:知っておくべきこと
妊娠中に肝機能検査を受ける理由
妊娠中は、特に妊娠特有の肝疾患(例:妊娠性胆汁うっ滞症候群)が発症しやすく、母体と胎児の健康に影響を及ぼす可能性があります。そのため、産科医は定期的に肝機能をチェックします。
検査のタイミングと対象
通常、妊娠後期(第3トリメスター)の血液検査に肝機能検査が含まれます。かゆみ、濃い尿、黄疸など肝障害を示す症状がある場合は、妊娠初期や中期でも早めに検査が行われます。
主な肝機能検査項目
- アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT):肝細胞に多く含まれる酵素で、血中濃度が上昇すると肝細胞の損傷や炎症が疑われます。
- アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST):ALTと同様に肝細胞に存在し、上昇は肝障害のサインです。
- アルカリホスファターゼ(ALP):肝臓や骨に存在し、妊娠中は胎盤由来でも上昇しますが、過度の上昇は肝疾患や胆道閉塞を示すことがあります。
- 総ビリルビン:赤血球が分解されてできる黄色色素で、数値が高いと肝機能低下や胆汁の流れに問題がある可能性があります。
- 直接ビリルビン(結合型ビリルビン):肝臓で処理されたビリルビンの量を測定し、上昇は肝障害や胆道系のトラブルを示唆します。
検査結果の活用
肝機能を定期的にモニタリングすることで、異常が早期に発見され、医師は適切な対策(薬物療法や経過観察など)を講じて母体と胎児の安全を確保できます。
