CPR(心肺蘇生)による胸部外傷と対処法

American Heart Associationのガイドラインでは、CPRの胸部圧迫は胸郭を1.5〜2インチ(約3.8〜5.0cm)へ下げることが求められ、1回の圧迫に約100〜125ポンド(45〜57kg)の力が必要です。この強い圧迫により、救命率は大幅に向上しますが、同時にさまざまな胸部外傷が生じます。外傷の程度は軽度から重度まで幅広く、症状に応じて支持療法から集中治療まで必要になります。

肋骨骨折

  • CPR関連外傷の約30%を占めます。

  • 生命に直結することは稀ですが、胸部の圧痛、呼吸困難、動揺や不安などの症状が現れます。骨折した肋骨は通常1〜2か月で自然に治癒しますが、肺炎などの合併症を防ぐために疼痛管理が重要です。

前縦隔出血

  • 胸部圧迫により毛細血管が損傷し、肺や胸腔に血液や液体がたまります。これが呼吸を妨げ、低酸素血症を引き起こすことがあります。症状は胸痛や血痰です。胸腔ドレーンでの排液が治療の基本です。

肺挫傷

  • 胸部圧迫による衝撃で肺に打撲が生じます。軽度の場合は酸素投与や支持療法で自然に回復しますが、重症例では人工呼吸器管理や集中治療が必要となります。

救急外来(ER) - 関連記事