温度計の構成要素と種類
温度計は対象物や周囲環境の温度を測定する装置で、古代から使用され、技術の進歩とともに精度が向上しています。温度計は主に「温度センサー」と「測定結果を示す表示部」の二つの要素から構成され、用途に応じてさまざまな形態と部品が組み合わされています。
基本構造
ほとんどの温度計は、温度変化に応じて物理的変化を起こすセンサーと、その変化を数値や目盛りとして示す表示部の二部構成です。センサーの素材や表示方式は、使用目的や測定範囲に合わせて異なります。
水銀温度計
最も一般的でシンプルなタイプのひとつが水銀温度計です。細いガラス管の底部に水銀が封入されており、温度が上がると水銀が膨張して管内を上昇します。管は真空または窒素で満たされており、目盛りが付いたスケールで温度が読み取れます。水銀は低い融点を持つ金属で、膨張・収縮が明瞭なため高い精度が得られます。
液晶温度計
医療現場や体温測定に用いられる液晶温度計は、熱感応性液晶が塗布されたプラスチックストリップで構成されます。額に貼ると液晶が温度に応じて色を変え、視覚的に体温を示します。液晶は液体のような流動性と結晶のような光学特性を併せ持ち、使い勝手は良いものの、水銀温度計ほどの測定精度は期待できません。
アルコール温度計
アルコール温度計は、水銀温度計と同様にガラス管と内部液体から成りますが、液体にはエタノールやトルエン、イソアミル酢酸、灯油などが使用され、赤や青に染められます。温度上昇に伴いアルコールが膨張して管内を上昇し、目盛りで温度が読み取れます。比較的高い安全性と精度が特徴ですが、時間とともに色が薄れることがあります。
記録温度計
気象観測などで時間経過に伴う温度変化を記録するための記録温度計は、バイメタルストリップが温度変化に応じて巻き戻し・伸長し、その先端に取り付けられたペンが回転紙に上下に走査することで温度曲線を描きます。シンプルな構造ながら、連続的な温度データを自動的に記録できる点が利点です。
