在宅ホスピス医療の全体像
治癒が望めない時に選択すべきはホスピスです。 在宅ホスピス医療は、家族や友人に囲まれた慣れ親しんだ環境で、末期患者に緩和ケアを提供します。 痛みや不快な症状をコントロールし、患者に安らぎと尊厳をもたらすことが目的です。
安らぎの歴史
ホスピスとは「安息の場所」を意味します。中世では、旅の疲れた人々が休むシェルターとして機能していました。1967年、英国の医師シーリー・サンダースがロンドン郊外に最初のホスピスを開設し、現代のホスピス概念を確立しました。米国では1974年3月、コネチカット州で最初の在宅ホスピスが国立がん研究所の資金援助により設立されました。2005年にはホスピス提供機関が4,000を超え、2009年のボランティアは50万人以上に達しました。
学際的チーム
在宅ホスピスでは、医師、看護師、ソーシャルワーカー、喪失支援スタッフ、認定看護助手、在宅ヘルパー、そして多数のボランティアが連携し、患者と家族を支えます。看護師はケアプランに基づき自宅へ訪問し、医師との橋渡し役を担います。ソーシャルサービスは保険手続きや事前指示書、遺言作成などの書類手続きや、医療・地域資源との調整を行います。看護助手は日常の身体介護をサポートし、ボランティアは精神的・実務的な支援を提供します。作業療法士・理学療法士・宗教指導者といった専門職も必要に応じて加わります。
必要な時の支援
認定看護助手や在宅ヘルパーは、入浴・シャンプー・着替え・ベッドメイキング・食事・投薬など、看護師の指示に基づいた日常生活支援を行います。支援内容は記録され、看護師が確認したうえで学際チームの記録に統合されます。
ボランティア
ボランティアは在宅ホスピスの中心的存在です。患者が話し相手を必要とする時に寄り添ったり、軽い家事や買い物の代行を行ったりします。必須の研修では、傾聴スキルやホスピスの歴史・理念、基本的な介護技術を学びます。ボランティアコーディネーターが患者と家族のニーズに最も合うボランティアをマッチングし、チームが安定して継続できるよう配慮します。
悲嘆の五段階
患者が亡くなると、ホスピスの喪失支援チームが遺族に対して最大1年にわたるカウンセリングを提供します。否認・怒り・交渉・抑うつ・受容という五つの悲嘆段階を経て、遺族がそれぞれの感情に向き合えるよう支援します。誰もが孤独を感じることなく、適切なサポートを受けられるようにします。
