虚弱患者をベッドから椅子または車椅子へ安全に移す方法

はじめに

長時間ベッドに横たわっていると、患者は退屈で気分が沈みがちです。姿勢や環境を変えることで気分転換が図れます。安全にベッドから椅子または車椅子へ移動させることは、循環改善や検査搬送、外出による気分向上に役立ちます。本稿では、患者と介助者の安全を最優先にした手順を紹介します。

必要なもの

  • 椅子
  • 車椅子(ブレーキがロックできるもの)

手順

  1. ステップ1:患者の状態評価

    全身の筋力と認知機能を確認します。筋力が十分か、指示に従えるかを判断し、適切な介助計画を立てます。

  2. ステップ2:手順の説明

    患者に移乗の目的と流れを説明し、協力を得ます。椅子への移動か車椅子への移動かを明確に伝え、尊重されていると感じてもらいましょう。

  3. ステップ3:椅子・車椅子の配置

    ベッドの足側に椅子または車椅子をできるだけ近づけて置きます。車椅子使用時はブレーキをロックし、フットレストを折りたたんでおきます。

  4. ステップ4:ベッド高さの調整

    ベッドを最低位置に下げ、患者が床に足を置きやすくします。ベッドのブレーキをロックし、患者を側臥位(転送方向を向く)に導きます。

  5. ステップ5:側バーの操作と頭部の傾斜

    側バーを下げ、ヘッドレストを患者が耐えられる程度に上げます。めまいや吐き気がないか随時確認します。

  6. ステップ6:ベッド端への移乗

    片方の腕で肩下を支え、もう一方の腕で反対側の太ももを支えます。3秒数えてから足をベッド端へ揺らし、上体と肩を持ち上げて座位にします。患者が自力で足を動かせる場合は、協力させながら行います。

  7. ステップ7:座位でのサポート

    患者の胴体を抱えるように支え、片方の腕を自分の肩に載せ、もう一方の腕はベッドに伸ばしたままにします。患者に足を床にしっかりつけるよう指示します。

  8. ステップ8:体勢の安定

    足は右足を前に、左足を後ろに広げ、体重移動しやすい姿勢を取ります。腕で胴体を支える姿勢はそのまま維持します。

  9. ステップ9:足元の位置決め

    自分の右足を患者の左足(小指側)に合わせ、膝の高さに足を置きます。足と膝の位置が安定し、滑りや膝の曲がりを防ぎます。

  10. ステップ10:立ち上がりの補助

    膝を少し曲げて体を前傾させ、ベッドに伸ばした腕で患者に押すよう指示します。3秒数えてから患者を立たせます。

  11. ステップ11:椅子または車椅子への移動

    患者を立たせたまま背筋をまっすぐ保ち、椅子の前に回転させます。患者にアームレストを掴ませ、ゆっくりと座面に下ろします。介助者は膝を曲げ、背中をまっすぐに保ちます。

  12. ステップ12:座位の確認

    患者が椅子に完全に座り、臀部が座面に接し、背もたれに背中をつけていることを確認します。車椅子の場合は、腕をアームレストに、足をフットレストに置きます。

  13. ステップ13:記録

    安全に移乗できたことを患者記録に残します。医療現場では手順の記録が重要です。

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