肺CTスキャンの読み方と評価手順

概要

CT(コンピュータ断層撮影)スキャンは、複数の角度から撮影したX線ビームを用いて体内臓器の断面画像を作成します。肺CTは、通常の胸部X線では特定できない疾患の診断・経過観察や、生検時のガイドとして利用されます。

必要なもの

  • 患者カルテ
  • 肺CTフィルム
  • X線フィルムビューア(ネガトスコープ)
  • ヒト解剖学図譜

手順

  1. 1. 患者情報の確認

    患者のカルテを確認し、咳、発熱、呼吸困難、血痰などの臨床所見や喫煙歴を把握します。これにより、CT画像で注目すべき異常が絞り込めます。

  2. 2. フィルムのセットアップ

    肺CTフィルムをネガトスコープに掛け、患者の氏名・年齢・性別がカルテと一致しているか確認します。過去のCTフィルムがある場合は併せてセットします。

  3. 3. 画像の方向確認

    CT画像は取得方法により、以下の3方向で表示されます。
    ・軸位(Axial): 上下方向
    ・冠位(Coronal): 前後方向
    ・矢状位(Sagittal): 左右方向
    画像は通常1cm間隔で取得されますが、結節など微小病変が疑われる場合は、1〜5mmの高分解CTで撮影します。

  4. 4. 肺構造の把握

    解剖学図譜を参照しながら、系統的に肺全体を観察します。上から下、外側から中心部へ、あるいは逆順でチェックすると漏れが防げます。

  5. 5. 肺門部の評価

    気管支、肺動脈・静脈、神経が集まる肺門部を確認し、径の変化やリンパ節腫大を探します。

  6. 6. 肺実質の検査

    気道の分岐をたどります。CT上では空気が黒、気道が白〜灰色の点・線として映ります。正常では中心部から外側に向かって細くなるはずですが、過度に目立つ、または虚脱で消失することがあります。腫瘤がある場合は正常解剖を乱す形で現れます。

  7. 7. 肺胸膜の確認

    胸膜の肥厚や、血液・膿などの液体貯留(特に依存部位)を評価します。胸膜から発生する腫瘤も観察対象です。

  8. 8. 診断の記載

    異常所見と陰性所見を明記し、焦点性病変がある場合は部位と大きさを測定して記載します。

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