FSHとLHは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でどのように役立つか
FSHとLHの役割とPCOSへの影響
1. 卵胞の発育と排卵
FSHは卵巣内の卵胞の成長・成熟を促します。PCOSではFSHの分泌リズムが乱れ、小さく未熟な卵胞が多数残り、排卵が起こりにくくなります。
2. LHサージ(急上昇)
LHは成熟卵が卵巣から放出される排卵を誘発します。PCOSではLHサージが弱い、あるいは欠如し、排卵が不規則またはほとんど起こりません。
3. 黄体形成
排卵後、LHは一過性の内分泌腺である黄体の形成を促し、プロゲステロンを産生させます。PCOSでは黄体機能が低下し、プロゲステロン不足やプロゲステロン抵抗性が生じ、月経周期がさらに乱れます。
4. アンドロゲン産生
PCOS女性の卵巣はテストステロンなどの男性ホルモンを過剰に分泌します。LHが高いと卵巣のアンドロゲン産生が刺激され、にきび、過剰な体毛、男性型脱毛症などの症状が悪化します。
5. 診断への活用
FSHとLHの濃度、他のホルモンと合わせた測定はPCOS診断の手がかりになります。特にLH/FSH比が高いことが多く、ホルモンバランスの乱れを示します。
6. 治療効果のモニタリング
治療中のFSH・LH値は、経口避妊薬や排卵誘発剤などの薬剤が月経周期や排卵にどれだけ働いているかを評価する指標となります。
7. 個別化治療の指針
PCOS患者ごとにFSH・LHのプロファイルは異なるため、これらの数値を把握することで最適な治療法(例:インスリン感受性改善薬、排卵誘発薬など)を選択しやすくなります。
ただし、FSH・LHだけでPCOSの診断や治療方針が決まるわけではありません。症状、身体所見、他のホルモン検査など総合的に評価し、経験豊富な医師の診断を受けることが重要です。
