オゾン吸入の危険性とは?
地球を覆うオゾン層は、太陽の有害な紫外線から惑星を守っています。医薬品グレードの液体オゾンは、病院の病棟や手術室での消毒に使用され、関節炎や腎結石・胆石の治療に用いる医師もいます。喘息患者への吸入療法が有効とする声もありますが、ほとんどの医師や医療機関はオゾン吸入の危険性を指摘しています。
オゾン汚染
オゾン(化学式:O3)は無色で刺激的な塩素様の匂いを持つガスです。地表付近では、太陽の紫外線が窒素酸化物などの大気汚染物質と反応し、スモッグとして現れます。スモッグは化学物質、金属、酸、エアロゾル、化石燃料の燃焼による粒子状物質が混ざり合ってできるものです。
オゾン安全基準
大気中のオゾン濃度は通常 0.001〜0.125 ppm(パーツ・パー・ミリオン)です。過敏な人は 0.001 ppm でも反応し、一般の人は 0.003〜0.010 ppm 程度で臭いを感じます。米国暖房・冷凍・空調技術者協会(ASHRAE)や FDA は、空調空間や電子空気清浄機に対し 0.050 ppm 以下を上限としています。米国の多くの都市では最大 0.150〜0.510 ppm、ロサンゼルスなどは 1.00 ppm(レベル2)や 1.50 ppm(レベル3)といったスモッグ警報を出します。0.300 ppm を長時間吸入すると鼻や喉の刺激が起こり、5.000 ppm 超や中高濃度での長時間曝露は肺水腫など重篤な呼吸器障害を引き起こす可能性があります。
オゾン吸入による症状
吸入したオゾンは呼吸器を刺激し、喘鳴・咳、喘息発作、最悪の場合は死亡に至ります。症状の重さは濃度、曝露時間、既往症(喘息や慢性閉塞性肺疾患など)に依存します。0.250〜0.750 ppm の急性曝露では、乾いた喉の違和感、咳、息切れ、胸部圧迫感、呼吸困難、喘鳴が現れます。濃度が上がると肺機能低下、過度の疲労、めまい、睡眠障害、集中力低下、皮膚のチアノーゼ(青紫色)などが起こります。大都市に住む人は、5 年以上の長期的・繰り返し曝露により肺機能が低下しやすいことが報告されています。
オゾン曝露のリスクが高い人
米国肺協会(American Lung Association)のノーマン・エデルマン博士によると、オゾン濃度が高まると喘息や COPD など呼吸器疾患患者の入院・救急受診が増加し、糖尿病患者のインスリン効率も低下します。米国環境保護庁(EPA)は、以下の人々を特にリスクが高いとしています。
- 既存の呼吸器疾患を持つ人
- オゾンに対して感受性が高く、肺機能低下が顕著に現れる人口の 5〜20%
- 屋外で運動や活動を行う人
- 子どもや 65 歳以上の高齢者
これらの人々は、オゾン濃度が上昇すると健康への影響が大きくなるため、外出時の注意が必要です。
