脳腫瘍手術後に現れる人格変化と対処法
脳は非常に複雑な臓器で、腫瘍そのものや手術、放射線治療、免疫療法、化学療法の影響を正確に予測することはほぼ不可能です。脳腫瘍手術後に見られる副作用のひとつが人格の変化です。言語・注意力・集中力・学習・記憶・認知機能全般にわたるさまざまな障害と併せて現れることがあります。米国国立脳腫瘍協会(National Brain Tumor Society)によれば、人格変化は患者の半数以上で起こりますが、医療従事者に見落とされがちです。
人格変化が起こるメカニズム
腫瘍の位置によっては、腫瘍と脳の他部位を結ぶ神経回路が影響を受けます。また、手術や放射線・化学療法が脳組織を直接損傷したり、機能を乱すことも原因となります。
うつ状態のリスク
バージニア大学の調査では、手術直後に患者の93%がうつ症状を示したと報告されています。手術後の回復は身体的にも精神的にも負担が大きく、フラストレーションや無力感がうつを誘発します。主な症状は、価値感の喪失、絶望感、睡眠障害、イライラ、活動への興味喪失、泣き出す、疲労感、原因不明の不快感、自殺念慮、社会的孤立などです。
新たに現れる行動パターン
性欲の変化、強迫的行動、抑制の低下や引きこもりなどが見られることがあります。また、笑ってはいけない場面で笑ったり、突発的な怒りの爆発が起こることもあります。
その他の変化
うつと直接関係しない場合でも、不安、イライラ、無関心、過度の多幸感、急激な気分変動などが報告されています。
支援を受ける方法
人格変化に気付いたら、脳腫瘍患者を専門とする神経心理学者に相談しましょう。介護者は症状が現れた日時、持続時間、状況をメモし、医師に報告すると効果的です。規則正しい生活リズムを保つことも不安軽減に役立ちます。
