モーズ手術の種類と特徴
モーズ手術は、皮膚がん(基底細胞がん・扁平上皮がん)を組織温存しながら除去する外科手技です。主に以下の2種類があります。
標準モーズ手術
最も一般的な手術で、次の手順で行われます。
1. 肉眼で確認できる腫瘍部位の切除:外科医はメスでがんの見える部分を切除します。
2. 手術部位の局所麻酔と滅菌シートの設置:麻酔で痛みを取り除き、周囲を滅菌シートで覆います。
3. モーズマッピング:色染料で腫瘍の境界をマーキングし、手術範囲の地図を作成します。
4. がん組織の除去と顕微鏡検査:腫瘍周囲の薄い組織層を順次切除し、各層を顕微鏡で検査してがん細胞が見つからなくなるまで繰り返します。
5. 創部の修復:最終的にがんが除去されたら、縫合、皮膚移植、またはフラップで創部を閉じます。
手術は数時間かかり、外来診療で実施可能です。
凍結切片モーズ手術
標準手術の変形で、組織処理と検査を同時に行うため時間短縮が可能です。
1. 見える腫瘍部位の切除:標準手術と同様にがんの見える部分を切除します。
2. 組織サンプルの即時凍結・切片作成:切除した組織をすぐに薄くスライスし、凍結して染色します。
3. 顕微鏡検査:染色した切片を顕微鏡で確認し、残存がん細胞の有無を判断します。
4. 追加組織の除去:がん細胞が確認された場合、対象部位からさらに薄層を切除し、クリアマージンが得られるまで繰り返します。
5. 創部の修復:がん組織がすべて除去されたら、縫合や皮膚移植、フラップで閉じます。
凍結切片モーズ手術は、標準手術に比べ手術時間が大幅に短縮され、1回の来院でがんを完全に除去できるメリットがあります。
手術方法の選択基準
手術の選択は、がんの部位・大きさ、外科医の経験・好みによります。どちらの方法も高い治癒率と正常組織の温存率を誇り、皮膚がん治療の有力な選択肢です。
