多形性腺腫の治療法
多形性腺腫は唾液腺にできる良性腫瘍で、しこりは硬く痛みはありませんが、稀に悪性化(多形性腺腫からの癌)することがあります。悪性化すると急速に増大し、痛みを伴い、生命に危険を及ぼす可能性があります。そのため、良性腫瘍の早期治療が重要です。
外科的完全切除
最も一般的で効果的な治療は、腫瘍全体と周囲組織を含めた完全切除です。多形性腺腫は指状突起が周囲組織に広がるため、再発防止のために余分な組織を一緒に摘出することがあります。
典型的には、全身麻酔下で浅部耳下腺切除(superficial parotidectomy)を行い、手術時間は約3〜4時間です。切開は首と耳の付近に行い、術後は傷跡が小さく、顔面神経を損傷しないよう慎重に処置します。
手術リスク
腫瘍の大きさや範囲によりリスクは変わります。小さく限局した腫瘍は顔面神経へのダメージが少なく、広範囲に広がっている場合はリスクが高まります。外科医は顔面神経の近くでの操作を極力避け、ほとんどの患者は正常に回復します。
術後数か月間は一時的な神経の弱さが続くことがありますが、通常は自然に改善し、治療は不要です。永久的な神経障害は極めて稀です。
感染のリスクはすべての手術に伴いますが、抗生物質で管理できます。手術後に唾液が切開部から漏れることがありますが、ほとんどは一過性で特別な処置は不要です。
放射線療法
手術が困難なケースや再発リスクが高い場合に、補助的に放射線治療が検討されます。米国国立衛生研究所(NIH)は、すべての患者に放射線療法を推奨せず、適応は限定的としています。放射線療法は再発腫瘍の悪性化リスクを高める可能性があるため、慎重に選択されます。
文献によると、良性多形性腺腫の再発率は約6〜7%と報告されています。
