なぜX線は回折格子や薄膜で回折しないのか?
X線の基本
X線は可視光と同じ電磁波ですが、波長は0.01〜10nmと非常に短く、可視光の400〜700nmと比べて何桁も小さいです。
回折とは
回折は、波が小さな開口部や障害物を通過したときに広がる現象です。回折の程度は波長と開口部・障害物のサイズ比で決まります。
回折格子や薄膜で回折しない理由
X線の波長が極めて短いため、回折させるには数nm程度の極小な構造が必要です。一般的な回折格子や薄膜の溝幅・厚さは数百nm以上であり、X線に対してはほぼ平面に通過します。そのため、X線はこれらの装置では回折しません。
結晶による回折
結晶は原子が規則正しく並んだ構造で、原子間の間隔は数Å(0.1〜0.5nm)程度です。これはX線の波長と同程度のオーダーになるため、結晶内部の原子面でX線が回折します。この原理を利用して、X線回折(XRD)により結晶構造を解析することができます。
