ヒスタミンとは何か?
米国アレルギー・喘息・免疫学会(AAAAI)は、約5,000万人がアレルギーに悩んでいると推定しています。アレルギーは体が外来物質を侵入とみなす生化学的反応で起こります。その際に放出される化学物質の一つがヒスタミンで、症状の原因となるだけでなく、正常な免疫反応にも重要な役割を果たします。
免疫反応
体内に有害な物質が検出されると、脳が免疫系に指示を出し、抗体が産生されます。抗体は侵入者を捕捉・破壊し、ウイルスや細菌の感染から体を守ります。ヒスタミンは血管拡張や腺分泌の刺激、細胞からのタンパク質放出を促し、外来物質の除去を助ける保護機構の一つです。
アレルギー反応
ヒスタミンが問題視されるのは、日常的な物質に対して過剰に働くときです。花粉、ハウスダスト、カビ、動物のフケなどがアレルゲンとなり得ます。これらは体にとって危険と認識され、抗体が捕捉した後にヒスタミンが放出されます。肺や鼻腔、喉などで炎症、粘液分泌、皮膚症状が起こり、目のかゆみ・涙、皮膚や唇の腫れ、くしゃみ、喘鳴、咳、鼻水などの上気道症状が現れます。AAAAIは、遺伝的要因がアレルギー発症に関与していることを指摘していますが、なぜ一部の人だけがアレルギーになるのかは未解明です。
食物感受性
ヒスタミンやヒスタミン様物質は多くの食品に含まれます。魚介類、ナッツ、熟成チーズ・肉、アルコール飲料などはヒスタミンが豊富で、かゆみ、くしゃみ、頭痛、じんま疹、顔面紅潮、呼吸困難といったアレルギー様症状を引き起こすことがあります。これは免疫反応ではなく、ヒスタミン過剰摂取による反応です。原因食品を特定したら、摂取を避けることが最も簡単な対策です。
皮膚反応
ヒスタミンは血管を拡張させ、皮膚のかゆみ・はがれ・紅斑を引き起こします。じんま疹(蕁麻疹)はヒスタミン放出により皮膚にピンクや赤、肉色の膨らみが現れ、全身に広がることがあります。化学物質、石鹸、洗剤、繊維、医薬品、食品、特定の植物などが刺激となり、アレルギー感受性を通じて発症します。
気道反応
ヒスタミンは平滑筋を収縮させ、気道が狭くなることで息切れを招きます。また、副鼻腔の炎症や過剰な粘液分泌を引き起こし、咳・鼻づまり・鼻汁が出ます。中等度から重度になると胸の圧迫感や呼吸困難が生じ、稀に致命的になることもあります。喘息患者はアレルギーと併発することが多く、アレルゲンへの曝露が喘息発作の引き金となります。
治療法
市販されている抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンの放出を抑制したり、放出後に中和したりして症状を軽減します。さらに、アレルゲン免疫療法(アレルギーショット)では、少量のアレルゲンを徐々に増量して投与し、体の過敏反応を長期的に低減させることができます。
