塩酸(ムリティック酸)による火傷の対処法は?
塩酸(ムリティック酸)は、非常に強力で腐食性の高い酸です。主にモルタルや金属表面の洗浄に使用されます。使用時は必ず保護服、ゴーグル、ゴム手袋を着用してください。
皮膚に付着すると重度のやけどとなり、速やかな処置が必要です。以下に応急処置と医療機関での対応を示します。
自宅での応急処置
- 酸が目・鼻・口・皮膚に付着したら、直ちに流水で15分以上洗い流します。冷水や氷は使用しないでください。体温低下を防ぎ、治癒を妨げます。
- 汚れた衣服やアクセサリーはすぐに脱ぎ、洗浄した部位がまだ灼熱感を示す場合は、さらに20分間流水で洗浄します。
- 酸を飲み込んだ場合は、水ではなく牛乳でうがいしながら洗い流します。ただし、意識が低下している、嘔吐がある場合は飲ませないでください。嘔吐は誘発しないでください。
- 吸入した場合は新鮮な空気のある場所へ移動します。痛みは、市販のイブプロフェン、アセトアミノフェン、アスピリンで緩和できます。
救急医療での対応
- ショック症状や広範囲・目・関節部のやけど、強い痛みがある場合は、速やかに医療機関へ。
- 病院ではバイタルサインのモニタリングと、数時間にわたる流水洗浄が行われます。大面積のやけどは点滴による液体補給が必要です。
- 酸を飲み込んだり吸入したりした場合は、気管チューブ挿入や酸素投与が行われることがあります。強い痛みはペルコセト等のオピオイドで管理されます。
- 破傷風予防のため、予防接種の確認・接種が行われます。
予後と注意点
- 高濃度の塩酸を大量に飲み込んだり吸入したりすると致命的です。治療開始が早いほど回復の可能性が高まります。
- 軽度のやけどは自宅での処置で回復しますが、腫れ、発熱、膿、発赤、色変化など感染兆候が現れたら直ちに医療機関を受診してください。
- 傷口に軟膏や薬を塗布しないでください。感染リスクを高めます。
- 化学物質を飲み込んだ疑いがある場合は、すぐに119へ通報し、毒物情報センターへ連絡してください。
