一般的に乱用されている処方薬
近年、米国では処方薬の乱用が急増しています。特に高校生や大学生の間で、薬棚への容易なアクセスやインターネットでの簡単な入手が原因とされています。FDA承認済みという安心感から、路上の違法薬物よりも安全だと誤解されがちです。鎮痛剤、興奮剤、抑制剤といった処方薬が全国で乱用されており、主に18〜25歳の若者が中心です。
広がる問題
2004年以降、12歳以上の米国人口約600万人が医療目的の処方薬を乱用したと、全国薬物使用・健康調査(NSDUH)は報告しています。2005年の『Monitoring the Future』調査では、高校生が最も乱用する処方薬はヴィコディン(Vicodin)とオキシコンチン(OxyContin)であることが明らかになりました。
オピオイド系薬物
オキシコンチンやヴィコディンは、痛みを和らげるために処方される強力な鎮痛剤です。依存性が高く、高齢者を含む多くの人々に乱用されています。法的に処方された場合は「処方麻薬」として厳しく管理されますが、違法に流通すると深刻な健康被害をもたらします。
興奮剤(刺激薬)
リタリン(Ritalin)やアデロール(Adderall)は、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の治療薬として広く使用されていますが、若者が瞬時の「ハイ」や多幸感を求めて乱用するケースが増えています。過剰摂取により入院する事例も多く、致死的なリスクも伴います。
抑制剤(鎮静薬)
不安障害の治療に用いられるバリウム(Valium)やザナックス(Xanax)は、神経系を鎮静させる効果がありますが、他の抑制剤やオピオイドと併用すると致命的な呼吸抑制を引き起こすことがあります。
リスクと対処法
薬物の過剰摂取は、迅速に医療機関に搬送すれば救命できるケースもあります。胃洗浄、活性炭投与、嘔吐誘発、尿や便の排泄促進、点滴による薬物の洗い流し、血液透析などが行われます。しかし、時間が経過すると不可逆的なダメージが残り、生涯にわたる影響を及ぼすことがあります。
処方薬の乱用は、身近にある薬に対する誤った認識が原因です。正しい知識と適切な管理が、危険な依存や過剰摂取を防ぐ鍵となります。
