ヒト成長ホルモン(HGH)の副作用とリスク

使用目的

ヒト成長ホルモンは下垂体で自然に分泌されますが、40歳頃からその分泌は徐々に低下します。医師が処方する合成HGHは、ホルモン欠乏や筋肉減少症(筋萎縮)の治療に用いられ、米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けています。一部ではスポーツパフォーマンスの向上や加齢による体調悪化の緩和を期待して使用されますが、筋肉量が増える報告がある一方で、さまざまな副作用リスクが指摘されています。

がんリスク

ヒト成長ホルモンが腫瘍細胞の増殖を促進する可能性があるため、がんとの関連が懸念されています。英国のがん研究所の調査では、HGH投与を受けた患者は全体的ながん死亡リスクが上昇し、特に大腸がんやホジキン病の発生率が高いことが報告されました。また、マウス実験でも大量のHGH投与は寿命を短くする結果が示されています。

関節障害

合成ヒト成長ホルモンは関節の腫れや痛みといった、関節炎に似た症状を引き起こすことがあります。スタンフォード大学のレビューでは、31件の研究でHGH使用と関節痛の関連が確認されました。医師のランディ・ホーヴィッツ氏は、日常的にHGHを使用すると関節の腫脹や疼痛のリスクが著しく高まると指摘しています。

糖尿病

HGHの使用は糖尿病の発症リスクを高める可能性があります。米国国立老化研究所の調査では、65歳から88歳の健康な男性が「抗加齢」目的でHGHを投与された結果、対照群に比べて糖尿病または前糖尿病状態になる割合が高く、57名中18名が糖尿病または前糖尿病を発症しました。全体の40%以上が何らかの有害事象を報告しています。

心血管系の問題

HGHは血圧上昇や動脈硬化を助長することがあります。エリ・リリー社の臨床試験では、ホルモン欠乏でHGH治療を受けた成人の約1割が18か月後に高血圧を発症しました。この副作用は子どもには見られないため、年齢とともにリスクが増大すると考えられます。ガーヴァン医療研究所の研究では、HGHが体内のナトリウム保持を促進し、結果として血圧が上がりやすくなる可能性が示唆されています。

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