Hi-C と関連技術の概要と選択ポイント

Hi-C と関連技術は、ゲノムの空間的配置を解析する染色体コンフォメーション捕捉(3C)系の手法群です。

これらの手法は、ゲノム上の異なる領域間で実際に起こる物理的相互作用の頻度を測定し、染色体の高次構造や長距離制御相互作用を可視化します。代表的な手法を以下にまとめました。

1. Hi-C(High‑throughput Chromatin Conformation Capture)

最も基本的で広く利用されている手法です。相互作用しているクロマチンをホルマリンで架橋し、DNA を断片化した後に近接した断片同士をリガーションします。得られたリガンド DNA をシーケンスし、全ゲノム規模の相互作用マップを構築します。

2. 5C(Circular Chromosome Conformation Capture)

Hi‑C と概念は同じですが、ライブラリ作製時に DNA を環状に結合させます。環状化により長距離相互作用の捕捉効率が向上し、特定領域で高解像度のデータが得られます。

3. ChIA‑PET(Chromatin Interaction Analysis by Paired‑End Tag sequencing)

クロマチン免疫沈降(ChIP)と Hi‑C を組み合わせ、特定のタンパク質やヒストン修飾に結合した DNA の長距離相互作用を同定します。転写因子や調節タンパク質が標的遺伝子とどのように結びつくかを解析するのに有用です。

4. PLAC‑seq(Proximity Ligation‑Assisted Chromatin sequencing)

近接リガーションを利用して相互作用 DNA 断片を捕捉し、シーケンスします。従来の Hi‑C に比べて高解像度で相互作用の方向性情報も取得できる点が特徴です。

5. Capture Hi‑C

ビオチン標識 RNA プローブで特定領域を選択的に濃縮し、興味のあるゲノム領域間の相互作用を高感度で解析します。ターゲット領域に絞った詳細なマッピングが可能です。

これらの手法はすべて、ゲノムの三次元構造に関する重要な情報を提供し、遺伝子発現制御や染色体動態、核構造の理解に貢献しています。研究目的や必要な解像度、対象とする領域に応じて最適な手法を選択することが重要です。

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