MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)分離ガイドライン

MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)は、ペニシリン系からセフェム系まで幅広い抗菌薬に耐性を示す細菌です。無症状で保菌状態(コロナイゼーション)になることもあれば、創傷、膿瘍、肺炎などの症状として現れることもあります。感染拡大を防ぐためには、患者の適切な隔離が不可欠であり、アウトブレイク対応に比べてコスト面でも有利です。

細菌の隔離

  • 最も基本的かつ重要な隔離は、細菌そのものを対象にした「物質的隔離」です。多数の患者と接触する医療従事者は、手指衛生と防護具の使用を徹底しなければなりません。すべての患者と接触した後は必ず手洗いを行い、特に無症状のMRSA保菌者に接触した可能性がある場合は注意が必要です。MRSA患者や保菌者の尿・便などに触れる場合は、必ず手袋を着用してください。

能動的サーベイランス(積極的スクリーニング)

  • CDC(米国疾病予防管理センター)は、MRSA隔離に「能動的サーベイランス」政策を推奨しています。入院時やその後の診療時に、リスクが高い患者から培養検体を採取し、MRSAの有無を確認します。過去にMRSA感染歴がある患者は、いつでも保菌者となり得るとみなして、接触隔離を実施し、他の患者への曝露を防ぎます。

    保菌者をMRSA非保菌者の部屋に同室させてはいけませんが、同じく保菌者同士の同室は許容されます。無症状保菌者は、医療機関内にいる間は常に接触隔離の対象としてください。

職場での対応

  • CDCは、開創部位にMRSAがある従業員の出勤を制限しています。感染が活動的である場合は、職場での物理的隔離を行い、他者との皮膚接触を避けます。また、作業服や使用した機器は、家庭・病院・職場いずれでも使用後に洗剤でしっかり洗濯・洗浄してください。

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