Fasciola Hepatica(肝蛭)の生活環

Fasciola Hepatica(肝蛭)は哺乳類に寄生するフラジロイドで、主に牛や羊に感染します。成虫は約30 mm(1 インチ)ほどの長さに成長し、肝臓の胆管に付着して生活します。理想的な環境下では、生活環は2〜3か月で完了します。

繁殖

成虫は雌雄両性器を持ち、単独で繁殖可能です。肝臓の胆管に固定された成虫は、1日あたり最大25,000個の卵を産むことができます。

卵

卵は宿主の糞と共に排出されます。感染した羊は1日で約50万個の卵を排出します。湿潤な環境下で卵は糞から洗い流され、孵化してミリシディウム(幼虫)を放出します。

幼虫

ミリシディウムは雨水に流され、淡水の巻貝に侵入します。貝の体内で成長し、オタマジャクシ状のシェルカリア(放散幼虫)など、3段階の形態に変化します。

感染性嚢胞(メタセルカリア)

シェルカリアは貝から離れ、水面を漂いながら草や水生植物に付着します。そこで嚢胞(メタセルカリア)を形成し、これが感染形態となります。動物や人が汚染された植物を摂取すると、メタセルカリアを体内に取り込みます。

新宿主への移行

腸内でメタセルカリアは嚢胞を破り、未成熟のフラジロイドとして腸壁を貫通し、腹腔へと移動します。数週間後に肝臓の胆管に定着し、成熟して繁殖可能になります。

感染症(肝蛭症)と症状

肝蛭症は消化器系障害や下痢を引き起こし、肝臓への移行過程で出血や貧血、急死を招くことがあります。人への感染は稀ですが、胆管内で10年以上生存し、発熱、貧血、肝腫大などの症状を繰り返し引き起こします。生肝や未調理の貝類を食べた場合、喉に寄生し呼吸器症状を起こすこともありますが、適切な診断と治療により高い治癒率が期待できます。

予防・対策

肝蛭が問題となっている地域では、家畜に対して年3回の駆虫薬投与を行い、様々な発育段階の寄生虫を除去します。加熱調理によりフラジロイドは死滅するため、生肝や生の巻貝は摂取しないようにし、巻貝を扱う際は手洗いや調理面の消毒を徹底してください。

感染症 - 関連記事