伝染性の病気とは?主な感染経路と代表的な疾患
伝染性疾患(感染症・伝染病)は、病原体を保有する宿主(源・貯蔵体)から他の生体へ、直接または間接的に接触することで広がります。感染の速さは病原体や環境条件により異なりますが、以下のように大きく5つの感染経路に分類できます。
1. 空気感染症
感染者が咳・くしゃみ・会話・呼気で放出する飛沫やエアロゾルを介して空気中に拡散し、吸入した人が感染します。
代表例
- インフルエンザ(流感):インフルエンザウイルスが原因。発熱・咽頭痛・咳・筋肉痛・倦怠感などの呼吸器症状が現れます。
- COVID-19:SARS‑CoV‑2 が原因。呼吸器症状に加え、発熱・味覚・嗅覚障害など多様な症状が出ます。
- はしか(麻疹):麻疹ウイルスによる極めて高い感染力。発熱・咳・発疹が特徴です。
- 結核(TB):結核菌が原因。長時間の濃厚な空気接触で肺や他臓器に感染します。
2. 接触感染症
感染者の体液(唾液、血液、精液、膣分泌液など)や、ウイルス・細菌が付着した表面に直接触れることで感染します。
代表例
- 風邪:さまざまなウイルスが原因。鼻汁・咽頭痛・咳が主症状です。
- ヘルペス単純ヘルペス:接触やキス、歯ブラシの共有などで伝染し、水疱や潰瘍を引き起こします。
- HIV:主に無防備な性行為、注射器の共有、母子感染(出産・授乳)で広がります。
3. 媒介虫媒介感染症
蚊やダニなどの媒介生物が病原体を運び、吸血や刺咬を通じて人に感染させます。
代表例
- マラリア:メスのハマダラカ(Anopheles)蚊が媒介。周期的な発熱・寒気・発汗が特徴です。
- デング熱:ネッタイシマカ(Aedes)蚊が媒介。高熱・関節痛・頭痛・特徴的な発疹が現れます。
- ライム病:マダニが媒介。初期は赤い輪状の発疹(ブルズアイ)を伴い、放置すると関節痛・神経症状・疲労感が続きます。
4. 水系感染症
汚染された水や、汚染水を使用した食品・飲料を摂取することで感染します。
代表例
- 腸チフス:サルモネラ・チフィ(Salmonella Typhi)による長期の高熱・倦怠感・腹痛・下痢。
- コレラ:ビブリオ・コレラ(Vibrio cholerae)感染により激しい下痢と脱水が起こります。
- ジアルジア症:原虫ジアルジア(Giardia)による嘔吐・下痢・腹痛などの胃腸症状。
5. 性感染症(STI)
性行為に伴う体液(精液、膣分泌液、血液など)を介して感染します。
代表例
- 淋病:淋菌(Neisseria gonorrhoeae)感染。排尿時の灼熱感や下腹部痛が主症状です。
- 梅毒:梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)による感染。初期は硬性下疳、その後皮疹・神経障害・心血管障害へと進行します。
- クラミジア感染症:クラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)感染。無症状も多く、放置すると骨盤炎症性疾患や不妊のリスクが高まります。
感染症は病期や環境条件により感染力が変化します。手洗いやマスク着用、予防接種、適切な衛生管理は感染拡大防止の基本です。症状が疑われる場合や感染リスクがあるときは、速やかに医療機関を受診しましょう。
