多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療法
治療法
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、卵巣に多数の嚢胞ができる疾患で、女性不妊の主な原因です。月経不順や無月経、体毛過多、にきび、体重増加、血圧・コレステロール上昇、2型糖尿病や心血管疾患、子宮内膜がんのリスク増加など、さまざまな症状が現れます。根本的な治癒法はありませんが、症状や妊娠希望に応じた治療法が存在します。
妊娠を希望しない場合
- 経口避妊薬:ホルモンバランスを整え、月経周期を規則化し、にきびや体毛過多を軽減します。プロゲステロン単独製剤は子宮内膜がんリスクを低減しますが、体毛やにきびには効果が限定的です。
- メトホルミン:糖尿病治療薬ですが、体重減少、コレステロール改善、体毛減少、排卵回復を助けることがあります。
妊娠を希望する場合
- 排卵誘発薬:クロミフェン(クロミッド、セロフェン)やメトホルミン併用で排卵を促します。ただし多胎妊娠のリスクがあります。
- ゴナドトロピン:下垂体から分泌されるホルモンで、排卵誘発薬より高価で多胎リスクも高く、注射が必要です。
- 体外受精(IVF):効果は高いものの、1回あたり約12,400米ドルと高額です。
体毛過多の対策
- 外用薬:ヴァニカクリームで顔の体毛を減少させることがあります。
- 抗アンドロゲン薬:スピロノラクトン(アルダクトン)やフィナステリド(プロペシア)は男性ホルモンの作用を抑え、体毛や脱毛を改善します。妊娠中・授乳中は使用不可です。
- レーザーや電気分解:永久的な除毛法として利用されます。
外科的治療
「卵巣ドリリング」は腹腔鏡下で卵巣に微小な穴を開け、電流で一部組織を破壊しアンドロゲン産生を抑える手術です。効果は一時的で、卵巣の瘢痕リスクがあります。
生活習慣の改善
適正体重の維持、定期的な運動、バランスの取れた食事はホルモンバランスを整え、糖尿病や心血管リスクを低減します。医師と相談し、自身に合った治療計画を立てることが重要です。
