馬尾症候群における筋電図(EMG)の評価は?

はじめに

馬尾症候群(Cauda Equina Syndrome: CES)は、椎間板ヘルニアなどによって脊髄終端付近の神経根束が圧迫されることで起こります。神経根や支配筋の機能評価には、筋電図(EMG)が重要な情報源となります。

EMGの目的と方法

EMGでは、対象となる神経根を電気的に刺激し、支配筋の電位を記録します。これにより、神経根の損傷程度や筋肉の再支配状態を把握できます。

EMGで見られる代表的な異常所見

  • 運動単位の募集低下:刺激に対して活性化される運動単位数が減少し、神経根障害を示唆します。
  • 遠位潜時の延長:脊髄から筋肉までの伝導時間が長くなり、神経根圧迫による伝導遅延を反映します。
  • 多相性運動単位:単一波形ではなく複数相を持つ波形が増え、軸索損傷や再支配の兆候です。
  • 筋線維の自発活動(細胞振戦・陽性鋭波):前角細胞や神経根の損傷に伴う脱神経を示します。
  • 干渉パターンの減少:随意収縮時に見られる複雑な波形混合が減少し、運動単位募集の低下を示します。
  • 再支配パターン:健康な神経線維が脱神経筋に新たに枝分かれすることで、波形が多相化し複雑化します。

臨床でのEMG活用ポイント

  • 神経根関与の有無を示し、CESの診断を補強する。
  • 腰部狭窄症など類似症状との鑑別に役立つ。
  • 神経損傷の程度と予後を評価できる。
  • 手術や保存的治療の効果をモニタリングできる。
  • 追加検査や手術適応の判断材料となる。

まとめ

EMGはMRIや臨床診察と組み合わせることで、馬尾症候群の包括的な評価と治療方針決定に欠かせないツールです。

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