アスピリン中毒の治療法

はじめに

アスピリンは広く使われている薬ですが、過剰摂取すると重篤な中毒症状を引き起こすことがあります。耳鳴りや出血、呼吸性アルカローシス・代謝性アシドーシスによる高熱、嘔吐、呼吸困難、脱水、電解質バランスの崩れ、さらには急性腎不全・肝不全に至ることもあります。処方薬との併用で吸収が増強されるケースもあるため、アスピリン中毒が疑われる場合は速やかな医療機関受診が必要です。

症状の確認

  1. 中毒症状の特徴

    中枢神経系の障害(軽度の混乱から昏睡まで)、早期の警告サインとしての耳鳴り(進行すると難聴に)、めまい、慢性中毒では急性呼吸窮迫症候群(ARDS)などが見られます。症状の認識が迅速な治療への第一歩です。

  2. 診断の流れ

    救急搬送が必要な場合は119番通報し、医師の診断を受けます。血液検査で血清カリウム、ナトリウム、グルコース、腎機能(BUN・クレアチニン)、凝固能(PT)、肝機能を評価します。嘔吐誘発剤(イペカ)は使用せず、嘔吐による出血リスクや脱水・電解質異常を避けます。

  3. 入院での支持療法

    必要に応じて酸素投与や人工呼吸、静脈内輸液で失った水分と電解質(特にカリウム)を補充します。血液検査と呼吸状態の頻繁なモニタリングが必須です。急性中毒時には活性炭スラリーを経口投与し、薬剤の吸着を促します。ソルビトールは腸管からの排泄を早める下剤効果で使用されます。

  4. 重症例の処置

    血中サリチル酸濃度が高い場合や300 mg/kg以上の摂取が疑われる場合は、集中治療室での管理が必要です。腎透析によってサリチル酸の除去を行うことがあります。

  5. 意図的な中毒の場合

    自殺目的などでのアスピリン大量摂取は、精神科・心理的サポートが不可欠です。適切なメンタルヘルスケアを受けることが回復への重要なステップとなります。

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