放射線中毒の治療
放射線中毒(放射線障害)は、一定以上の放射線を浴びた結果、体内に損傷が生じた状態を指します。核産業や核実験、核兵器による攻撃などで発生する可能性がありますが、日常生活で遭遇することは稀です。
粒子除去
最初に行うべき基本的な処置は、皮膚や衣服に付着した放射性粒子を徹底的に除去することです。すべての衣服を脱ぎ捨て、廃棄します。メイヨークリニックによると、これだけで約90%の放射線汚染が除去できるとされています。その後、石鹸と温水で皮膚を洗い、残留粒子を洗い流します。曝露直後に実施することが重要です。
骨髄治療
放射線は骨髄を攻撃し、白血球を破壊して免疫機能を低下させます。この場合、顆粒球コロニー刺激因子(G‑CSF)を投与します。G‑CSFは新しい白血球の生成を促進し、骨髄の損傷を回復させます。
ヨウ化カリウム
ヨウ化カリウムは甲状腺に取り込まれる放射性ヨウ素の吸収を阻害します。甲状腺がヨウ化カリウムで満たされることで、放射性ヨウ素は甲状腺に取り込まれず、尿中へ排泄されます。
DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)
DTPAはアメリシウム、キュリウム、プルトニウムなどの放射性金属と結合し、体内から排泄させるキレート剤です。体内に取り込まれた放射性金属はDTPAと結合し、尿や糞便で排出されます。
プルシアンブルー
プルシアンブルーは放射性セシウムや放射性タリウムと結合し、体内から除去する薬剤です。曝露直後に投与すると、放射性粒子が細胞に取り込まれる前に結合し、糞便とともに体外へ排出されます。
これらの治療は、放射線の種類や曝露量に応じて組み合わせて実施されます。早期の診断と適切な処置が予後改善の鍵となります。
