フィラリア症(象皮病):原因・症状・予防
フィラリア症(象皮病)は、リンパ系に寄生する線虫が原因で起こる疾患群です。主な原因虫は、Wuchereria bancrofti、Brugia malayi、Brugia timoriの3種です。
感染経路と生活史
感染は、フィラリアに感染した蚊が人を刺し、皮膚に感染性幼虫(ミクロフィラリア)を注入することで始まります。幼虫はリンパ管へ移動し、成虫へと成長します。成虫雌は大量のミクロフィラリアを産み、血流中に放出されます。
主な症状
- リンパ管閉塞:成虫がリンパ管を塞ぎ、リンパ液がたまりやすくなります。その結果、脚、腕、陰嚢(男性)、乳房(女性)などに腫脹が生じ、進行すると象皮病(象皮腫)となります。
- 炎症反応:体の免疫反応により炎症が起き、発熱、悪寒、疼痛などが現れます。
- 皮膚変化:皮膚が厚くなり、硬化や変色を伴うことがあります。
- 腎臓・泌尿器系障害:蛋白尿や腎機能障害が起こることがあります。男性では精巣炎や精巣上体炎が見られることもあります。
- リンパ性フィラリア症:主にW. bancroftiとB. malayiが原因で、慢性的な腫脹、組織線維化、皮膚肥厚が進行します。
予防と治療
フィラリア症は予防可能であり、治療も可能です。感染地域では、マス・ドラッグ・アドミニストレーション(MDA)と呼ばれる全人口への抗フィラリア薬投与が実施され、虫の伝播が大幅に減少し、健康状態が改善しています。
