原生動物はどのように若いシロアリの腸へ取り込まれるか
トロファラキシス(口頭授乳)
シロアリの社会性行動のひとつで、巣内の個体同士が食物や体液を直接やり取りする仕組みです。この行動を通じて、成虫シロアリは若虫(ニンフ)に必要な原生動物(旗鞭毛原虫)を渡します。
1. 口吻(プロボシス)による授乳
成虫は口吻と呼ばれる特殊な口器を使い、消化管の前部(クロップ)にたまった半消化食物を若虫の口へ逆流させます。
2. 食物と原生動物の混入
クロップに残っている半消化食物には、成虫が外部から摂取した旗鞭毛原虫が含まれています。
3. 原生動物の取得と腸内定着
若虫はこの逆流食物を飲み込み、同時に原生動物も体内に取り込みます。取り込まれた原生動物は若虫の腸内で増殖し、共生関係を築きます。
4. 相利共生の機能
原生動物はセルロース分解酵素を持ち、シロアリが植物繊維を消化できるようにします。一方、原生動物はシロアリの腸という安定した環境と豊富なセルロースを得て生き延びます。
このようにトロファラキシスは、シロアリコロニー全体の生存と栄養獲得を支える重要な相利共生のプロセスです。
