胎盤前置の分類と程度
胎盤は胎児を栄養する器官で、受精後約2週間で胚が子宮壁に着床した時に形成されます。着床位置が子宮の下部にあると、胎盤が子宮頸部に近づいたり覆ったりすることがあります。この状態を胎盤前置(プラセンタ・プレヴィア)と言い、約200妊娠に1例の頻度で発生します。胎盤前置は出血や早産、母体・胎児の死亡といった重篤な合併症を引き起こす可能性があり、主な警告サインは「妊娠後半に痛みのない鮮紅色の膣出血」です。疑いがある場合は速やかに医師に相談してください。
低位着床(タイプ1)
低位(側方)着床、すなわちタイプ1の胎盤前置では、胎盤は子宮内で低い位置にありますが、子宮頸部から約2.1〜3.5cm離れています。妊娠の第3期になるまでに胎児と胎盤が子宮上部へ移動するケースが90%あり、問題が起きることは少ないです。残りの10%では出産後に出血がみられることがありますが、妊娠中に症状が出ないことが多く、経膣分娩が可能な場合もあります。
辺縁着床(タイプ2)
辺縁着床、別名不完全胎盤前置(タイプ2)では、胎盤は子宮頸部の上に完全に乗ってはいませんが、0.1〜2.0cmの範囲で非常に近くに位置します。胎盤が頸部に近いほど合併症のリスクは高まりますが、低位着床と同様に多くのケースで経膣分娩が可能です。
部分前置(タイプ3)
部分前置(タイプ3)では胎盤が子宮頸部の一部を覆います。医療的合意により、母体と胎児の安全確保のため経膣分娩はリスクが高く、熟練した産科医による帝王切開が推奨されます。通常は妊娠36〜38週で手術が行われますが、重度出血などの合併症がある場合はそれ以前に手術が必要になることがあります。
完全前置(タイプ4)
完全前置(タイプ4)は胎盤が子宮頸部全体を覆う状態で、分娩時に頸部が完全に開いても胎盤が覆い続けます。部分前置と同様に、母体と胎児の命を守るために36〜38週頃の帝王切開が必須です。
最新の分類法
新しい超音波技術により、胎盤前置の診断精度が向上し、モニタリングや治療が以前よりも容易になっています。従来の4段階分類は依然として使用されますが、2011年以降は「軽度(タイプ1・2)」と「重度(タイプ3・4)」という分類が主流です。統計的には全症例の約半数が重度、半数が軽度とされています。
