子どものクローン病の症状と対策
クローン病は主に思春期以降の若者や成人に多く見られますが、全症例の約20%は子どもに発症します。多くは下部腸や大腸に症状が現れますが、35%は小腸や腸全体に問題が及ぶことがあります。現在のところ根治療法はありませんが、症状を抑える治療法はあります。
タイプ
クローン病は炎症性腸疾患(IBD)の一種で、潰瘍性大腸炎と混同されがちです。クローン病は食道から肛門までの消化管全体に炎症が起こり得るのに対し、潰瘍性大腸炎は大腸に限られます。子どもでも大腸だけに症状が出ることがあり、診断が難しい場合があります。
主な症状
- 繰り返す下痢
- 血便
- 腹痛
- 食欲不振
- 倦怠感・疲労
- 体重減少
- 発熱(必ずしも全員に出るわけではない)
症状は炎症が起こる部位や程度により個人差があります。例えば、腸に炎症が及んでいなければ血便は見られません。
診断方法
一般的な健康診断だけではクローン病は判別できません。小児科医が行う主な検査は以下の通りです。
- 血液検査(貧血や炎症マーカーの確認)
- 便培養(寄生虫や細菌の有無)
- 内視鏡検査(上部内視鏡・大腸内視鏡)と組織生検
- バリウム造影(バリウム注腸や上部消化管造影)
治療方針
治療は症状の重症度に応じて選択されます。目標は寛解(症状の消失)です。
- 軽症例:抗炎症薬や一部抗生物質
- 中等度〜重症例:ステロイド(副作用を考慮し短期間使用)
- 寛解維持:免疫調整薬(免疫抑制)
- 食事管理:刺激物や高繊維食品の制限、必要に応じて高カロリーシェイクやサプリメント
- 外科手術:最終手段として、稀に実施
注意点・合併症
クローン病の症状が続くと、十分な栄養摂取ができず、成長障害や思春期遅延のリスクが高まります。また、貧血、尿路感染、口内潰瘍、肛門周囲の瘻孔(フィステル)などの合併症も報告されています。適切な栄養管理と定期的な医療フォローが重要です。
