ICU感染とは何か?
概要
集中治療室(ICU)で治療を受けている間に患者が罹患する感染症は、医療関連感染症(HAI)や院内感染とも呼ばれます。細菌、ウイルス、真菌、寄生虫など様々な微生物が原因となります。
ICU感染がもたらす影響
ICU感染は患者の罹患率・死亡率を上昇させ、ICU滞在期間を延長させる重大な問題です。米国では患者の約5〜10%がICU感染を経験し、死亡率は2〜3%と推定されています。
主な感染症の種類
- 肺炎:ICU感染で最も多いタイプで、細菌、ウイルス、真菌が原因となります。
- 血流感染(BSI):主に黄色ブドウ球菌や大腸菌などの細菌が関与します。
- 尿路感染(UTI):大腸菌やクレブシエラ・ニューモニエなどが一般的です。
- 手術部位感染(SSI):手術後に起こりやすく、免疫低下したICU患者で頻発します。
リスク要因
- ICU滞在期間の長さ:滞在が長いほど感染リスクが高まります。
- 基礎疾患:糖尿病、癌、免疫抑制状態などの慢性疾患を抱える患者はリスクが高いです。
- 侵襲的医療機器の使用:人工呼吸器、尿道カテーテル、中心静脈カテーテルなどが感染経路となります。
- 他の感染患者との接触:近接している患者からの二次感染リスクがあります。
予防策
- 手指衛生:感染拡大防止の最も基本的かつ重要な対策です。
- 滅菌機器の使用:患者と接触する全ての機器は適切に滅菌する必要があります。
- 抗菌薬の適正使用:必要なときにのみ、適切な期間で使用します。
- 感染患者の隔離:他の患者への感染拡大を防ぐために隔離します。
早期診断と治療の重要性
ICUに入院している場合は、感染リスクを常に意識し、発熱や疼痛、排泄異常などの症状が出たら速やかに医療スタッフに報告してください。早期の診断と適切な治療が予後改善につながります。
