ヘンダーソン看護理論の実践的適用手順
ヘンダーソン看護理論は、看護教育者であり多数の著書を残したバージニア・ヘンダーソン(1897‑1996)によって1937年に提唱された理論です。14の基本要素から構成され、ヘンダーソンはそれらを看護師の不可欠な機能と位置付けました。理論の根底にある考えは、看護師はタスクではなく患者その人に焦点を当てるべきだということです。この視点の転換により、看護師は患者が回復する過程でも、尊厳と平穏を保つことができます。
実践手順
-
1. 14要素の習得と暗記
患者が正常に食事・飲水・呼吸できるよう支援し、睡眠・清潔・快適さを保ち、さらなる傷害を防ぎ、他者とコミュニケーションできるようにすることなど、14項目すべてを理解し暗記します。要素を把握することが理論実践の第一歩です。
-
2. 患者評価
患者の疾患や障害を考慮し、14要素のうちどれを自立して行えるか、どれが援助を必要とするかを評価します。
-
3. 看護計画の作成
医師の治療に合わせて、看護師がどのように患者を支援できるかを具体的に示す計画を立てます。計画は患者の現在のニーズに基づき、将来の予測ではなく実際の必要に焦点を当てます。自己完結を促すことが核心であるため、チームで共有することが推奨されます。
-
4. 計画の実施
ニーズは時間帯や治療内容に応じて変化するため、1時間単位・1日単位で柔軟に対応します。患者の状態を継続的に評価し、必要に応じて看護ケアを調整します。
-
5. 計画の再評価
数日ごとや治療の重要な節目で、当初の看護計画を見直します。患者の自立を早めるために、必要があれば計画を修正し、最新のニーズに合わせます。再評価のタイミングは固定せず、変化が疑われた時点で行います。
