オートクレーブの歴史と現代の利用
オートクレーブは、容器に機器や材料を入れ、蓋を密閉し、温度を121℃まで上げ、加圧蒸気で滅菌する装置です。病院や研究所で広く使用され、重要な器具から有害な微生物や化学物質を除去します。
デニス・パパン
フランス出身で英国に移住した物理学者デニス・パパンは、1660年代にピストン・シリンダー式の蒸気機関を考案しました。1680年には「蒸気消化器」を発明し、これは現在の圧力鍋の原型となります。この蒸気消化器が後にオートクレーブの前身となりました。
M.レマーレ
1820年、ロンドンの語学アテネウム所長M.レマーレは、パパンの蒸気消化器を改良し「オートクレーブ」と名付けました。調理時間を半分に短縮できると宣伝されましたが、安全性が低く、使用中に事故が多発しました。特に、歌手ナディは大規模な宴会の準備中に装置が破裂し、沸騰した液体が噴出して死亡しました。
チャールズ・チェンバーレンド
1879年、フランスの微生物学者でルイ・パスツールと共に研究したチャールズ・チェンバーレンドは、蒸気消化器を医療・科学用の滅菌装置へと改良しました。彼は細菌より小さな孔を持つチャームランドフィルターを発明し、液体から細菌を除去できました。この研究が現在のオートクレーブ誕生につながります。
用途
当初は圧力鍋として料理に利用されましたが、現在では病院、研究所、歯科、獣医、ボディピアッシング・タトゥーショップなどで器具の滅菌に使用されています。加圧蒸気と過熱水により、感染性の微生物を無力化します。近年では圧力容器を持たないタイプも登場し、熱風オーブンでは耐えられない素材(ゴム製品、ガウン、手袋など)の滅菌に適しています。ドライクリーニングでも同様のプロセスが利用されています。
欠点
オートクレーブは多くの有害微生物を除去できますが、狂牛病(クロイツフェルト・ヤコブ病)に関わるプリオンや、最近発見されたStrain-121など、一部の耐熱性病原体は121℃でも生存します。また、プラスチックや紙など高温に弱い材料は使用できません。そのため、使い捨ての注射針やメスの柄など、一次使用の器具が増えています。
