象は頑丈で毛深く厚い皮膚を持つが、ハードボディのダニ(Ixodidae科)に頻繁に侵される。血を吸う寄生虫であるダニは、皮膚への刺激だけでなく、全身の健康にも深刻な影響を及ぼす。
泥浴
- 象は頻繁に泥浴を行い、鼻で水や土を噴射して体表に保護層を作り、ダニの付着を防ぐ。
- 泥や砂を体にまぶすことで、粗い粒子がダニを物理的に除去し、木や岩に体をこすりつけて寄生虫を落とす。
- 水場では互いに泥や水を掛け合い、群れ全体のダニ除去を促進する。
ダニ媒介疾患
- ダニはバベシア症などの病原体を媒介し、体温が36.6℃から37.8℃へ上昇、貧血、食欲不振といった症状を引き起こす。
- 感染は群れ内で容易に拡大し、ダニに刺された個体が他の象へ病原体を伝播させる。
皮膚障害
- ダニの吸血により強い痒みと刺激が生じ、象は木や岩に体をこすってダニを除去しようとする。
- この摩擦で皮膚が擦り剥がれ、出血や開放創ができ、二次感染のリスクが高まる。
- 一部の鳥類がダニを取り除く際に皮膚を傷つけ、さらなる出血を招くこともある。
環境破壊
- ダニは象の牙根部や頭部に多く付着するため、象はこれらを除去するために木の樹皮を剥がしたり、枝や岩を壊したりする。
- 結果として、象が生息する森林や岩場の自然環境が損なわれる。
健康悪化
- ダニの吸血により食欲が低下し、子象の成長が遅れ、成獣は体重減少に陥る。
- 血液と皮膚の損失で体力が低下し、感染症に対する抵抗力が弱まる。
- 皮膚表面に凹凸や腫れ、開放創ができ、さらなる病原体の侵入経路となる。
