OSHA(米国労働安全衛生局)安全トレーニングの概要
米国労働安全衛生局(OSHA)は、職場の安全基準を制定する連邦機関です。1970年に労働安全衛生法が成立して以来、雇用者は安全規則を遵守する義務があり、多くの企業が定期的に従業員向けの安全トレーニングを実施しています。10時間または30時間のコースを修了すると、業界別の安全認証を取得できます。
歴史
1970年、リチャード・ニクソン大統領が労働安全衛生法に署名し、職場の安全ルールが制定されました。翌年4月28日、労働長官ジェームズ・ホッジソンがOSHAを設立し、企業の安全管理を監督しました。OSHAは化学物質の危険性を示すMSDSの掲示や、職場での疾病・怪我の記録義務を課し、1970年代には建設業におけるアスベスト使用の規制にも大きく寄与しました。連邦基準に加えて、26州が独自の安全プログラムを持っています。
一般産業向けトレーニング
製造業や一般工場向けのOSHAトレーニングは、火災時の避難手順、消火器の使い方、救急箱の位置など基本的な安全知識を中心に構成されています。転倒防止、はしごの安全な設置、作業・通路面の安全基準(CFR Part 1910)もカバーします。社内講師や外部講師が実施し、有害物質の取扱いや廃棄方法、最新技術に関する教育も行われます。
海事安全トレーニング
海事分野では、OSHA基準(29 CFR 1915)に基づき、造船所や修理工場で働く従業員向けに安全プログラムが提供されます。書類作成手順、従業員の権利・責任、一般的な作業上の注意点を学び、資格取得が可能です。業務内容に応じて、塗装・清掃作業、毒性溶剤や可燃性物質の取扱い、溶接・切断時の防護策などの専門的な手順も指導されます。
建設業向け安全トレーニング
建設業界向けには、10時間または30時間のOSHA認定コースが提供されます。30時間コースでは、鉛、ホルムアルデヒド、電離放射線などの有害物質の取り扱い、クレーンやデリックの操作、安全な溶接・切断、木工工具、爆薬・ブラスターの使用方法(CFR Part 1926)を学びます。個人保護具や呼吸保護具の正しい使用方法、事故防止策も含まれ、職場の安全意識を高めます。
農業向け安全トレーニング
農業従事者向けのトレーニングは、CFR Part 1928に基づき、トラクターや綿紡績機、転倒防止装置(ROPS)などの機械安全、運転規則、機械の適切な修理方法を教えます。また、伐採作業や臨時労働キャンプの設置基準、カドミウムの識別と安全対策についても取り上げ、一般産業基準と連動した包括的な安全教育を提供します。
