ラドンの副作用と医療利用
ラドンは無色・無臭の放射性ガスで、土壌や地下水中の放射性物質が自然に崩壊することで発生します。住宅の壁・床・基礎のひび割れや隙間から室内に侵入し、長期間にわたって吸入すると健康に深刻な影響を及ぼすことがあります。
肺がん
米国環境保護庁(EPA)と外科医長官の報告によれば、ラドン吸入は米国で肺がんの第2位の原因です。放射性粒子が肺組織に取り込まれ崩壊し、組織を損傷します。長期的な損傷はがん化につながります。主な症状は以下の通りです。
- 新たな咳や咳の変化
- 血痰(血を含む咳)
- 息切れ、胸痛、喘鳴(ぜんめい)
- 声のかすれ、体重減少、骨痛、頭痛
胃がん
ラドンが水に溶け込んでいる場合、飲料水として摂取されることがあります。EPAによれば、飲料水中のラドンが原因で胃がんになるリスクは、吸入による肺がんリスクに比べてかなり低いです。1998年の全米研究評議会の推計では、年間約13,000件の胃がん死亡のうち約20件がラドン水に起因するとされています。
胃がんの主な症状は以下です。
- 倦怠感、食後の膨満感、少量で満腹感
- 胸やけ、消化不良、吐き気、胃痛、嘔吐
- 体重減少
リウマチ性疾患の治療への利用
有害性が注目される一方で、医療現場ではラドンを利用した治療法も研究されています。例えば、リウマチ性関節炎の患者にラドンを添加したリハビリテーション浴を行うと、通常の浴療法に比べて症状改善の持続時間が長くなるという報告(A. Franke, 2000, Rheumatology)があります。
ラドンは健康リスクと医療利用の両面を持つため、住環境の測定と適切な対策が重要です。
