嚢内白内障摘出術ではどのような手順が行われるのか
嚢内白内障摘出術(ICCE)とは
嚢内白内障摘出術(Intracapsular Cataract Extraction、ICCE)は、レンズとそのレンズ嚢全体を眼球から除去する手術です。現在では、合併症リスクが高いため、主に嚢外白内障摘出術(ECCE)や超音波乳化術(Phaco)に取って代わられています。
手術の手順
- 角膜切開:角膜に小さな切開を作ります。
- 前房へのアクセス:切開部から前房(角膜と虹彩の間の液体が満たされた空間)に到達します。
- 嚢裂開(カプスロレキシス):レンズ前嚢に円形の開口部を作ります。
- 水圧押出:水圧でレンズを瞳孔と切開部からゆっくりと押し出します。
- 灌流・吸引:残存するレンズ組織や破片を灌流と吸引で除去します。
- 創部閉鎖:角膜切開を縫合またはフィブリン接着剤で閉じます。
主な合併症
- 後嚢破裂:手術中にレンズ後嚢が裂け、硝子体脱出などのリスクが高まります。
- 網膜剥離:眼底の網膜が脈絡膜から離れる可能性があります。
- 眼内炎(エンドオフサリス):重篤な感染症が起こることがあります。
- 緑内障:眼圧上昇に伴う視神経障害が発生することがあります。
現在の位置付け
合併症リスクが高いため、ICCEはごく稀にしか実施されません。白内障手術は、より安全で効果的なECCEや超音波乳化術が主流です。
