超音波脂肪吸引(UAL)の概要とリスク

超音波脂肪吸引(Ultrasonic Liposuction、略称UAL)は、高周波音波を利用して脂肪組織を液化し、吸引で除去する手術です。従来の吸引だけでは除去しにくい部位や、極めて精密な輪郭形成が求められるケースで用いられます。

従来の脂肪吸引

従来の脂肪吸引は、長い細いカニューレを用いて脂肪を直接吸引します。手術前に生理食塩水と麻酔薬を混合したチューメセント液を注入し、出血や疼痛を抑えつつ、組織の浮腫を防ぎます。

超音波脂肪吸引の手順

超音波脂肪吸引でも同様にチューメセント液を注入しますが、カニューレに搭載された超音波装置で脂肪を液化させてから吸引します。液化した脂肪は吸引が容易になるため、細部の輪郭調整が高精度に行えます。

歴史

UALはまず欧州で導入され、当初は注目を集めましたが、合併症のリスクが明らかになると使用が減少しました。北米でも一部の外科医が先端技術として採用しましたが、FDA(米国食品医薬品局)の承認は得られていません。

血栓リスク

超音波により脂肪組織の温度が上昇し、小血管内で血栓が形成されやすくなります。血栓は組織壊死を引き起こすほか、稀に肺塞栓症という生命を脅かす合併症へと進行することがあります。

末梢神経障害と血清腫

手術部位の感覚神経が損傷すると、永久的なしびれや感覚障害が残ることがあります。特に顔や首での施術は注意が必要です。また、皮下に液体がたまる血清腫が発生しやすく、数週間から数か月にわたり経過観察が必要です。

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