レーザー眼科手術の歴史と進化
レーザー屈折矯正手術は、近視・遠視・乱視などの視力障害を治療する屈折手術です。レーザー技術を用いて角膜の形状やサイズを変えることで、眼鏡やコンタクトレンズの代替手段を提供します。角膜の改変は何世紀にもわたって研究されてきましたが、近代的なレーザーの登場が大規模な患者への適用を可能にしました。
初期の歴史
1823年、ヨハン・エミール・プルキンエが光の反射によって視覚が形成されることを明らかにし、角膜測定(ケラトメトリー)の基礎を築きました。1867年には白内障手術が始まり、1869年に眼科医ヘルマン・スネレンが角膜切開による視力矯正を提案しました。
最初の視力手術
1895年、オランダの外科医E.ファーバーが乱視治療のために角膜切開を行い、成功を収めました。その後、20世紀初頭に研究は続きましたが成果は限られていました。1939年に日本の佐藤努医師が角膜切開術(ケラトトミー)を大幅に発展させ、破損した眼鏡のガラスが角膜を切り、治癒後に乱視が改善したという偶然の出来事から、多くの患者で実験的手術を行いました。死後に多くの合併症が明らかになったものの、ケラトトミーを一般化する礎を築きました。
レーザー眼科手術の誕生
20世紀後半にかけて、角膜手術の改良が進みました。1970年代には、角膜内部層の形状変更が従来の削りや切開よりも効果的であることが判明し、内部層を除去・凍結・再移植する手法が試みられました。1980年、米国のゴーレム・E.ペイマン博士らが二酸化炭素レーザーで角膜を縮小する手術を実施し、同時にヨーロッパの研究チームがエキシマーレーザーを用いた光屈折角膜切除術(PRK)を開発しました。
20世紀末の展開
1980年代にPRKが主流となりましたが、疼痛や回復期間の長さ、視覚のハゼやぼやけといった合併症が問題視されました。これらの課題を克服すべく、レーザー誘導による角膜再形成技術が進化し、LASIK(Laser In Situ Keratomileusis)として確立されました。
現代のレーザー眼科手術
技術の進歩により、薄い角膜を持つ患者にはPRKとLASIKを組み合わせたLASEKが、ブレードを使用しないフラップ作成にはフェムト秒レーザーを用いるブレードレスLASIKが、個々の眼形に合わせたカスタム波面矯正にはコンピュータ制御のカスタムWavefront LASIKが選択肢として提供されています。これにより、より高度な視力障害にも安全かつ効果的に対応できるようになりました。
